ホイスト / whist

ホイストは、17世紀にイギリスで生まれた、トランプを用いたトリックテイキングゲームである。その起源はさらに古いゲームにさかのぼると言われ、その後、現在のブリッジの原型ともなった、戦略性と知性が求められるカードゲームとして発展した。
基本的なルールは、4人のプレイヤーが2人ずつペアを組み、各プレイヤーに配られたカードを使って、合計13回のトリック（カードの出し合い）を取り合うというものだ。最も多くのトリックを獲得したペアが勝利する。ゲームの進行において、切り札の概念が重要であり、どのスーツ（マーク）が切り札になるかによって、カードの強さが大きく変わる。
サンドイッチ伯爵が熱中したことでも知られるホイストは、単なる運だけでなく、相手のカードを読み解く洞察力や、パートナーとの連携が不可欠なゲームである。そのため、当時の上流階級の社交の場において、知的な娯楽として広く楽しまれた。現在では、より複雑なルールを持つブリッジが主流となっているが、ホイストはカードゲームの歴史において重要な位置を占め、多くの現代のカードゲームに影響を与えているのだ。