サンドイッチ伯爵 / Earl of Sandwich

サンドイッチ伯爵とは、18世紀のイギリスの貴族、ジョン・モンタギュー（John Montagu）のことである。彼は第4代サンドイッチ伯爵の爵位を持っていた。彼がサンドイッチの名の由来となった人物として広く知られているが、彼が実際にサンドイッチという食べ物を「発明した」わけではない。
彼は多忙な政治家であり、イギリス海軍の要職である第一海軍卿も務めた。また、ギャンブル、特にカードゲームのホイストに熱中していたことで有名である。伝えられるところによると、彼はゲームを中断することなく食事を済ませるため、パンの間に冷たい肉などを挟んで片手で食べられるように指示したという。この手軽な食事が当時の社交界で評判となり、「サンドイッチ伯爵の食べ物」と呼ばれ、やがて「サンドイッチ」という名称が定着したのだ。
サンドイッチ伯爵は、食文化に名を残しただけでなく、ジェームズ・クックの太平洋探検航海を支援するなど、当時のイギリス社会において重要な役割を果たした人物でもあった。彼の実用的な発想から生まれたサンドイッチは、現代において世界中で愛される手軽な食事として普及している。